04. 言うまいと思っても言っちゃうひと言

だって暑いんだもん

……暑い。熱くて暑い。言うと余計に暑くなるから言うな、といくら言われても。全てがお湯の中のようで、陽炎でもないのにあたりがユラユラして見える。気のせいですけど。
日本で家を建てるなら、“夏をむねとすべし”は、けだし名言です。冬のすきま風の貧乏イメージにばっかりフォーカスするから、夏に後悔するんだよねみんな。

私自身は滝汗体質ゆえ、暑さに加えて湿度が上がると最悪で、夏の風物詩に風流さを味わっている余裕がないのが悩みです。
真夏の朝の通勤電車では、乗り込んでひと息ついたあたりで、頭の百会から汗が泉のごとくこんこんと湧き出て、人間ソーダファウンテン状態。身動きもままならぬ車両内で、周囲の人が気持ちだけ引いてる空気が手に取るように分かる、これを地獄と言わずに何と言うのでしょう。

世間で地球温暖化が騒がれだすけっこう前から、夏が年々異常に暑くなっていて変だと周囲に訴えていたのですが、耳を貸して貸してくれる人はいませんでした。でも今ならはっきり断言できるぞ。我々の夏は、お気楽で楽しかったあの夏は、もうどこにも無いと!
“夕涼み”とか風雅な言葉も死語化の一途だし、「宿題は朝の涼しいうちに」との指導もすでに虚しく……伝統ある打ち水も、気温が高すぎると逆効果なので、ヘタにやったら叱られちゃう時代なのです。

8月はお日様のニオイ強化月間

今日の最高気温は35℃です、などと報道されますが、これって日陰の気温を指すので、直射日光のもとでは軽く40℃超えもあり得ると想定して行動することは、身を守る上で大切だと思います。
ただね気象予報士の皆さん、太平洋高気圧とチベット高気圧が重なった天気図を指して、「冬のフトンを2枚重ねているような暑さ」という、そのたとえだけは、頼むやめてくれぇ~!!

そうそう、外干しで乾いた洗濯物が放つ“お日様のニオイ”、あれは繊維が太陽光で分解されることで生じたアルデヒド等の揮発成分がその正体です。もう20年も前にカネボウ化粧品がそれらの化学物質を突き止めて「太陽の香り」として学会発表し、製品化への道を開きました。
ちなみに、「あれはダニの死骸のニオイだ」という夢こわす風説がネットに上がっていて驚きました。こういうしたり顔のガセ情報で誰が得をするのか、マジで謎すぎです。

炎天下に干して取り込んだフトンが焦げそうに熱いとき、このぬくもりとお日様のニオイを冬までとっておけないのが、いつも悔しくてしょうがない私。太陽光エネルギーは侮れません。

Sheila