33. イレギュラーな氷上のシーズンに惑う

コロナ禍と闘うフィギュアスケート

あくまで自分的に申しまして、この秋口からの異様な静けさが気になっていたのですが、それはとっくにオンシーズンであるはずのフィギュアスケート界隈の盛り上がりが、とんでもなく精彩を欠いていることにあるのでした。

いわゆるフィギュアスケートの関心度って、①めっちゃコアなガチファン、②そこまでガチじゃないけどちょい推し選手がいる、③有名選手の名前ぐらいは知ってる、④別にどっちでもいい、⑤ほぼ興味ナシ……

こんな5分類して何の意味があるのかと今気づいた私は、強いて言えば②あたりですけど、スコアや技術面よりも全体的な仕上がりと美しさを重視するタイプでしょうか。
ちなみに友人知己の中ではほとんどが③以下に入るため、残念ながら現時点ではわりと相手を選ぶテーマだと言わざるを得ません。

本来ならば9月にはシーズンスタートするのに、このご時世でグランプリシリーズ(GPS)など主要な大会は軒並み中止。国内限定での無観客試合は最大限の努力だとしても、GPSはスコア非公認なんて選手が気の毒すぎますよ。

大会という目標を奪われたら、モチベを保つのも並大抵じゃないでしょう。リンク以外では練習にならないスポーツだし、海外が拠点だと移動や帰国もままならない等々、関係者にとってことごとく不利な要素ずくめの現状は恨めしい限りです。
やる側も観る側も、思わずシュンとなっちゃってるわけで父さん。

ランビー人気に見る、コーチ事情

そういう事情からも、国内ブロック大会で結果を出してる選手には一層のエールを送らないといけませんね。CS未契約でライスト視聴もできないヤツが大きなことは言えないが、鍵山優真&佐藤俊ほか、10代の若手はみな明日の希望ですから。

10月末の近畿ブロック大会では、昨シーズンにズタボロだった坂本花織が目覚ましい復活を遂げたそうで、ニュースだけ聞いて驚いたけどコングラチレ~ション。いつももうひとつ惜しい友野一希、またがんばろうね応援してるよ。
三原舞依は病気療養からの復帰でメダルも獲得。いつか、病気ネタなんか忘れさせる活躍ができるようになったときこそが、本物の復活だね。


……まあしかし。だよね。結局のところ、真のスターが不在のままじゃ、真に盛り上がろうはずもなく。ネイサン・チェンのリモート演技くらいでガチファンが満足するとか、思ってもらっちゃ困るわけで。

氷上のアイドル宇野昌磨の動向については、特に追跡しなくても逐一報道があるので何となく把握できてますが、とりあえずランビー先生(ステファン・ランビエール)が面倒見てくれてるのは大きな安心材料という気はします。
練習サボってたら、遠慮なくゲーム機取り上げて踏んづけちゃっていいですから先生。

同じく、エントリーした大会が次々中止の紀平梨花。今季、移籍問題でトラブったのも不運ながら、スケーターは何があろうと練習場所を確保できる環境に居ることが大切なのだと思いました。
女子も4回転デフォ時代にシフトした今、別門を叩くのはむしろ必須の流れでしょう。しかし彼女もランビー先生にお世話になるの? マジで? まあとにかく、スケート以外のことで心煩わされないよう、こっちは祈ることしかできなくて。

それにしても大人気のランビー先生、何かといい人すぎやしませんかね。イケメンなのは顔だけにあらず。


わが国が世界に誇るラスボスについては、長くなりそうなので別の機会にyuzuruとしますが、……え~今季大会は全部キャンセル? まだ日本に居るのか、もうカナダに渡ったか。SP新プロ、みんな観たいんですけどお~ぅ。時間はたっぷりあるから、うんと滑り込んで来季に臨むのも悪くはないけどね。どうかオミアシお大切に。ああ何だかんだで結局、語ってしまった……

大会が直前で中止とか、前代未聞だらけの2020-21シーズン。スポーツも健康あっての物種、いつもは使わない筋肉を使うことから得るものだって、きっとあるに違いない。そう信じていつまでも待ってます、テレビの前でミカン食べながら。

Sheila



32. それでも電車で化粧がやめられへん人へ

ゴリ押しで手にした? 〈電車内化粧〉の市民権

Eテレ「0655」でブラマヨが歌う愉快なオリジナルソング『電車で化粧はやめなはれ』が、今朝フト頭に浮かんだのですが、……えーっ! これ初出は2012年ってマジ???

つまり〈電車内化粧〉行為の是非については、8年を経た今もなお、ヨロンが着地点を見出せていないことを意味しているわけで父さん。
毎朝の通勤電車にすっぴんで乗ってきて、堂々とひと通りのメイクを終えるあの度胸、まず絶対にHSPじゃないよねwwwww。


化粧を身支度の一環とするなら、公衆の面前(これ死語か)で着替えや洗面、歯磨きするのとどこが違うのか、長年疑問でした。身支度って基本、“自分ちで済ませる”が前提だもんね。
ところがそんなアゲインストな世間の視線もどこ吹く風、小難しい比較文化論やジェンダー論も薙ぎ払う勢いで、今や〈電車内化粧〉はそれなりに市民権を得た……と認めたくはないが見慣れた風景と化した印象は否めません。

人前での化粧行為に抵抗を感じない層が増えた原因として、思い当たることが一つあります。
現代の女性誌やネットには、メイクアップアーティストによるプロセス画像や解説動画などの情報が、わんさかあふれています。そこへ「化粧は人前でするもんじゃないよ」と教える人が誰もいなかったとしたら……
化粧行為そのものを、“ステキでおしゃれなこと”と捉える若い人が増えるのは、むしろ自然なことなんじゃないでしょうか。

今どき、女性に化粧やハイヒールを強要する職場にいるのなら、そういうトンチキな慣例を撤廃させる方向にアクションを起こすのがスジってものですが、そのテのめんどくさい話は別の機会に譲るとします。
ただ、よく聞く「残業続きで疲れてる」「化粧しないと上司に注意される」等々の主張は根本が他責志向なので、このままでは何ひとつ解決しませんよね、たぶんね。

衝撃の事実だけを述べます

電車内でわき目もふらず化粧に励む女の中には、絶対と言っていいほど、美人はいません。
本当の美人の、本当にスゴいところは、絶対に“手の内を見せないこと”だからです。彼女らは見えないところで日々研鑽を積んでいる(かどうか知らないが)のであって、オフィシャルなシーンでのタブーを決して破りません。まあこれ、戦略でもあるけど。
美人とそうでない人の差があるとしたら、顔の造作ではなく、そうした美意識の在りようとか誇り高さ、自律性に着目すべきなのです。

一方、手の内を大サービスで見せまくる〈電車内化粧〉派を観察していると、マジで例外なく、ポーチやアイテム、ツール類が汚いっ……ウゲッとなるくらい、汚っ!!
粉類は飛び散るのでケースが汚れやすいのは仕方ないとしても、彼女らはとにかく手にした道具もコスメも、すべてがいったいに薄汚れています。

それより何より、飛散物を浴びる周囲の人間の身にもなってくれよって話ですが、私物のメンテにも気を配れないヤツに、他人への配慮を期待するほうがどうかしてましたねハイ。


それから。女性は“ちょっとスキがある”くらいがモテの秘訣と言うけれど、手の内を百パー見せちゃうって、なんぼ何でも危険すぎやしませんかと。
化粧行為って、実は様々なメッセージを発しています。不特定多数の視線の中で全方位にスキを見せることの危うさを、該当する人にはちょっとでいいから考えてみてほしいのです。
物騒な事件が頻発する昨今の都会では特に、ローバ心からそう思うのです。

人前で考え無しに無防備な姿をさらすと、自分を守っているバリア=“結界”が崩れる、とも言います。
結局のところ、〈電車内化粧〉で一番損をするのは本人自身だという事実に気づいた人から、幸せになれる。つまるところは、そういうことのようです。

Sheila

31. 危険なウエ様

時代劇はなぜクセになりやすいのか

民放テレビのゴールデン枠から、時代劇シリーズを見かけなくなって結構経ちました。
国民的なテレビ時代劇と言えば、かつては平日午後にTBSが、安定の王道シリーズ『水戸黄門』と『大岡越前』を交互にオンエアしてましたっけ。そう聞いてしんみりする人は、すでに一定以上の年齢層になってしまったかしら。

ところで一時期、これら再放送時代劇が象徴する平日16時台は、別名“老人と失業者の時間”とか言われていました。マジで言い得て妙……夕飯にはまだ早い、本当にど~にもしようがないこの時間帯、家でヒマしてるのは高齢者とプーぐらいですからね。あ、もちろん自分も含めての話です。

「あれ~、これ観たことあるよな」と気づきながら、印籠出すとこが見たくて最後まで観ちゃう。大団円で終わると分かってるけど、寛大なお裁きを期待して観ちゃう。ハッピーエンドが前提だから、途中からでも安心して気軽に観ちゃう。
孤独な人の心のスキマにスッと入り込み、やがてルーティン化する……これら、クセになりやすい明るめテイストの時代劇コンテンツを、“アッパー系時代劇”と命名するぞ勝手に。

暁を蹴散らして進む、令和の時代劇

テレビの時代劇はいったいに照明が強く、画的に明るすぎておかしいという意見があります。確かに、行燈やローソクしかない時代、夜道があの明るさってウソだよね、とは私も思いますよ。
しかしそんなクレームもどこ吹く風、全編あり得ないまぶしさ&能天気な明るさで押し通す、アッパー系時代劇の金字塔、それが午前4時に復活したテレ朝〈おはよう時代劇〉枠の『暴れん坊将軍』シリーズ(再)です。

全エピソードが能天気な話ばかりではないものの、画面=“照明の明るさ”にかけては、あらゆる時代劇中で断トツなのは確かです。ウエ様という立場は、いわば王様と同じ。つまり最初から勝っているので、戦う必要がない。だから画面にも物語にも、ことさら陰影を強調する必要はない、そう言われてる気がするんですが。

個人的には、第VIII部の鶴姫(中村あづさ)とややこしくなるシーズンが、画面照度ともども最高潮に華やいだ印象を持っています。何より、ウエ様を振っちゃうスパイシーな結末が悪くないでしょ。
主演の松平 健(今ごろ言及か)は、名優というより“看板役者”のタイプ。演技力の巧拙ではなく、顔と名前でお客が入るって、これも役者としての得難い才能には違いないわけで父さん。


テレビ通の友人は、同番組の早朝再放送について「あれは危険。(最後まで)観ちゃうのよ」と真顔で評していました。
その通り、終盤の「余のカオを見忘れたか」に始まるチャンバラと、エンディングの「~と願う吉宗であった」のナレまでをセットとする暗黙の様式美に引きずられるのか何なのか、気がつくと5時のニュースワイドに誘導されてます、と、この際だから白状するね。

そうするうちに今宵もまた東の空が白々と……夜明けのウエ様は危険な香り。
そうだ、CM前のアイキャッチ。片肌脱いで矢を射るウエ様を見るたび、この頃からライザッ○やってりゃよかったのにね~、と思わずにいられない……余計なお世話すぎでしたハイ。

Sheila