06. いわゆるレジ袋の問題(2)

二次利用に見るレジ袋の底力

一度使ったレジ袋は、多くは家庭内でストックされて再利用を待つか、廃棄もしくは資源回収に出されていたと想像します。
ストックする際、きちんと三角形に折りたたんで収納する人から、箱や袋にグシャグシャ押し込む人まで実にいろいろ。ちなみに私は後者でした。

レジ袋のスゴいところは、二次利用の用途が広いこと。見た目を気にしないなら、再び荷物を入れて持ち運べるし、弁当ガラ(この語、今どき通るかな? 食べた後の容器ゴミのこと)や包装材をまとめて捨てるにも好都合です。
いろんなシーンでなりふり構わず働く、それがレジ袋の使命で宿命だったと。

「もう一度、使ってから捨てる」のなら罪悪感が減るのかどうか知りませんが、レジ袋の二次利用なら、やはりゴミ袋としての使い勝手が抜群だと思います。
真面目な話をしますと、在宅介護の現場では、口が縛れるレジ袋は何枚あっても大歓迎。または赤ちゃんのおむつやペットのトイレゴミなど、廃棄物の処理には他の追随を許さない活躍ぶりでした……過去形で絶賛するのはなぜ。

今、いちばん大切なこととは

プラゴミ削減で環境保全を、と聞けば有意義ですが、プラ製品全体に占めるレジ袋の割合はせいぜい3~4%程度。政府もあくまで啓発目的だと公言しており、一部には効果を疑問視する声もあります。
個人的には、今さら有料化の是非を問うつもりはありません。しかし施行のタイミングが悪すぎたのは事実でしょう。

世間がコロナ禍で混乱しまくってる7月の初めに、多忙な食品スーパーやコンビニでは、透明シート越しに袋どうしますかとか、2円だ3円だとレジで手間取って、しまいにキレる客とかも出てきて地獄絵図だったじゃないですか。いやちょっと盛りすぎか。

さらに間の悪いことに、使用済みマスクの安全な廃棄にレジ袋は最適だったとか、今さら聞きたくないから。感染予防が最優先とされる今は特に、店舗では使い捨てのレジ袋を供するのがコロナ対策としても正解のように思えるんですがねえ。
頭が固いというより、現実を見ようとしない頭の悪さにイラっとします。

環境にやさしい素材が理想なのは、みんな百も承知。しかし優先順位を間違ったのでは、みんなが不幸になるだけです。
過渡期には何らかの不自由や不都合がつきものと割り切って、柔らかいアタマで、当面はあれこれ工夫しながらしのいでいくしかなさそうですね。

Sheila


05. いわゆるレジ袋の問題(1)

こうなってみて分かったこと

店舗で配布するレジ袋が有料化されてひと月あまり。マイバッグ持参でのショッピングが定着……とまでは簡単にいかずとも、わが家から使用済みレジ袋の山が消えつつあるのは大きな変化です。
1枚が2円、3円の世界でも、有料となると人はハタと考えるものなんですねえ。チリツモで、以前はあっという間に何十枚もたまっていたことを思えば、繰り返し使えるマイバッグは確かに別名エコバッグ。昔から持っていたのに活用できてませんでした、反省。

マイバッグがスマートに使えるのは、会計後の袋詰めスペースがあるスーパーのような店舗だけ。コンビニや小さな店舗では、会計と袋詰めのタイミングが要領を得ず、モタついて恥ずかしいんですけど、あれ何とかなりませんでしょうかしらね。
ポイントカード出したりお釣りを財布にしまったりと、レジ前での会計って結構忙しいのに、後ろのお客は容赦なく無言の圧をかけてくるし。毎度、今までに経験したことの無いイヤぁなストレスを感じております。

コンビニエンス度ダダ下がり? コンビニの憂鬱

個人的に、今最も悩んでいるのが、意外ですがコンビニでのお買い物です。おにぎりと菓子パン程度なら手持ちのバッグで済むけれど、水平をキープしたいお弁当や、2リットルサイズのペットボトル飲料をついで買いしちゃった場合、対応可能な袋類を持参していないと、結構困ったことになります。

最初から用意して行けよとか言われたらそれまでですが、コンビニは“ついで買い”に期待する部分も大きい業態なので、レジ袋の煩わしさが利便性に影響するようでは本末転倒だと思うのです。
袋代を惜しんだ私も私だが、2リットル入りのお茶ボトル1本を脇に抱えて持ち帰り、結露でベショベショになったあの日から、私は変わりました。いやそれはウソですけど。

ナイロン製マイバッグに関しては、勝手にベテランユーザー目線だった私も、“マイバッグの洗い方”が話題になったとき、その発想が自分に無かったことは軽くショックでした。
そーだよねえ、長く使ううちには汚れもしますわな。冷えた商品入れると露でぬれるし。それなりのおカネ出して購入したなら、お手入れもそれなりにしなくちゃだわよ。とりあえず明日からでいいですか。

気がつくと、こんな具合にやることが増えて、忙しくなったようでウンザリします。でもその前に、以前はその時間を無料のレジ袋が肩代わりしてくれていた、ということに気づくべきかも知れません。
環境問題と利便性、いいとこどりばかりはできないというお話でした。

Sheila

04. 言うまいと思っても言っちゃうひと言

だって暑いんだもん

……暑い。熱くて暑い。言うと余計に暑くなるから言うな、といくら言われても。全てがお湯の中のようで、陽炎でもないのにあたりがユラユラして見える。気のせいですけど。
日本で家を建てるなら、“夏をむねとすべし”は、けだし名言です。冬のすきま風の貧乏イメージにばっかりフォーカスするから、夏に後悔するんだよねみんな。

私自身は滝汗体質ゆえ、暑さに加えて湿度が上がると最悪で、夏の風物詩に風流さを味わっている余裕がないのが悩みです。
真夏の朝の通勤電車では、乗り込んでひと息ついたあたりで、頭の百会から汗が泉のごとくこんこんと湧き出て、人間ソーダファウンテン状態。身動きもままならぬ車両内で、周囲の人が気持ちだけ引いてる空気が手に取るように分かる、これを地獄と言わずに何と言うのでしょう。

世間で地球温暖化が騒がれだすけっこう前から、夏が年々異常に暑くなっていて変だと周囲に訴えていたのですが、耳を貸して貸してくれる人はいませんでした。でも今ならはっきり断言できるぞ。我々の夏は、お気楽で楽しかったあの夏は、もうどこにも無いと!
“夕涼み”とか風雅な言葉も死語化の一途だし、「宿題は朝の涼しいうちに」との指導もすでに虚しく……伝統ある打ち水も、気温が高すぎると逆効果なので、ヘタにやったら叱られちゃう時代なのです。

8月はお日様のニオイ強化月間

今日の最高気温は35℃です、などと報道されますが、これって日陰の気温を指すので、直射日光のもとでは軽く40℃超えもあり得ると想定して行動することは、身を守る上で大切だと思います。
ただね気象予報士の皆さん、太平洋高気圧とチベット高気圧が重なった天気図を指して、「冬のフトンを2枚重ねているような暑さ」という、そのたとえだけは、頼むやめてくれぇ~!!

そうそう、外干しで乾いた洗濯物が放つ“お日様のニオイ”、あれは繊維が太陽光で分解されることで生じたアルデヒド等の揮発成分がその正体です。もう20年も前にカネボウ化粧品がそれらの化学物質を突き止めて「太陽の香り」として学会発表し、製品化への道を開きました。
ちなみに、「あれはダニの死骸のニオイだ」という夢こわす風説がネットに上がっていて驚きました。こういうしたり顔のガセ情報で誰が得をするのか、マジで謎すぎです。

炎天下に干して取り込んだフトンが焦げそうに熱いとき、このぬくもりとお日様のニオイを冬までとっておけないのが、いつも悔しくてしょうがない私。太陽光エネルギーは侮れません。

Sheila