05. いわゆるレジ袋の問題(1)

こうなってみて分かったこと

店舗で配布するレジ袋が有料化されてひと月あまり。マイバッグ持参でのショッピングが定着……とまでは簡単にいかずとも、わが家から使用済みレジ袋の山が消えつつあるのは大きな変化です。
1枚が2円、3円の世界でも、有料となると人はハタと考えるものなんですねえ。チリツモで、以前はあっという間に何十枚もたまっていたことを思えば、繰り返し使えるマイバッグは確かに別名エコバッグ。昔から持っていたのに活用できてませんでした、反省。

マイバッグがスマートに使えるのは、会計後の袋詰めスペースがあるスーパーのような店舗だけ。コンビニや小さな店舗では、会計と袋詰めのタイミングが要領を得ず、モタついて恥ずかしいんですけど、あれ何とかなりませんでしょうかしらね。
ポイントカード出したりお釣りを財布にしまったりと、レジ前での会計って結構忙しいのに、後ろのお客は容赦なく無言の圧をかけてくるし。毎度、今までに経験したことの無いイヤぁなストレスを感じております。

コンビニエンス度ダダ下がり? コンビニの憂鬱

個人的に、今最も悩んでいるのが、意外ですがコンビニでのお買い物です。おにぎりと菓子パン程度なら手持ちのバッグで済むけれど、水平をキープしたいお弁当や、2リットルサイズのペットボトル飲料をついで買いしちゃった場合、対応可能な袋類を持参していないと、結構困ったことになります。

最初から用意して行けよとか言われたらそれまでですが、コンビニは“ついで買い”に期待する部分も大きい業態なので、レジ袋の煩わしさが利便性に影響するようでは本末転倒だと思うのです。
袋代を惜しんだ私も私だが、2リットル入りのお茶ボトル1本を脇に抱えて持ち帰り、結露でベショベショになったあの日から、私は変わりました。いやそれはウソですけど。

ナイロン製マイバッグに関しては、勝手にベテランユーザー目線だった私も、“マイバッグの洗い方”が話題になったとき、その発想が自分に無かったことは軽くショックでした。
そーだよねえ、長く使ううちには汚れもしますわな。冷えた商品入れると露でぬれるし。それなりのおカネ出して購入したなら、お手入れもそれなりにしなくちゃだわよ。とりあえず明日からでいいですか。

気がつくと、こんな具合にやることが増えて、忙しくなったようでウンザリします。でもその前に、以前はその時間を無料のレジ袋が肩代わりしてくれていた、ということに気づくべきかも知れません。
環境問題と利便性、いいとこどりばかりはできないというお話でした。

Sheila

04. 言うまいと思っても言っちゃうひと言

だって暑いんだもん

……暑い。熱くて暑い。言うと余計に暑くなるから言うな、といくら言われても。全てがお湯の中のようで、陽炎でもないのにあたりがユラユラして見える。気のせいですけど。
日本で家を建てるなら、“夏をむねとすべし”は、けだし名言です。冬のすきま風の貧乏イメージにばっかりフォーカスするから、夏に後悔するんだよねみんな。

私自身は滝汗体質ゆえ、暑さに加えて湿度が上がると最悪で、夏の風物詩に風流さを味わっている余裕がないのが悩みです。
真夏の朝の通勤電車では、乗り込んでひと息ついたあたりで、頭の百会から汗が泉のごとくこんこんと湧き出て、人間ソーダファウンテン状態。身動きもままならぬ車両内で、周囲の人が気持ちだけ引いてる空気が手に取るように分かる、これを地獄と言わずに何と言うのでしょう。

世間で地球温暖化が騒がれだすけっこう前から、夏が年々異常に暑くなっていて変だと周囲に訴えていたのですが、耳を貸して貸してくれる人はいませんでした。でも今ならはっきり断言できるぞ。我々の夏は、お気楽で楽しかったあの夏は、もうどこにも無いと!
“夕涼み”とか風雅な言葉も死語化の一途だし、「宿題は朝の涼しいうちに」との指導もすでに虚しく……伝統ある打ち水も、気温が高すぎると逆効果なので、ヘタにやったら叱られちゃう時代なのです。

8月はお日様のニオイ強化月間

今日の最高気温は35℃です、などと報道されますが、これって日陰の気温を指すので、直射日光のもとでは軽く40℃超えもあり得ると想定して行動することは、身を守る上で大切だと思います。
ただね気象予報士の皆さん、太平洋高気圧とチベット高気圧が重なった天気図を指して、「冬のフトンを2枚重ねているような暑さ」という、そのたとえだけは、頼むやめてくれぇ~!!

そうそう、外干しで乾いた洗濯物が放つ“お日様のニオイ”、あれは繊維が太陽光で分解されることで生じたアルデヒド等の揮発成分がその正体です。もう20年も前にカネボウ化粧品がそれらの化学物質を突き止めて「太陽の香り」として学会発表し、製品化への道を開きました。
ちなみに、「あれはダニの死骸のニオイだ」という夢こわす風説がネットに上がっていて驚きました。こういうしたり顔のガセ情報で誰が得をするのか、マジで謎すぎです。

炎天下に干して取り込んだフトンが焦げそうに熱いとき、このぬくもりとお日様のニオイを冬までとっておけないのが、いつも悔しくてしょうがない私。太陽光エネルギーは侮れません。

Sheila


03. ミュージアムという名の高き峰々

ジョシ問題で見えた?“ミュージアム・コンプレックス”

コロナ禍では美術館や博物館も、長らく休館の憂き目に遭い、門を閉ざしていました。
当たり前にあるつもりだった楽しみを取り上げられるのは、本当にコタえます。

先の6月頃の話。某大手新聞社と美術館関連団体が企画した「美術館女子」が、批判の業火に見舞われました。
美術館に無縁な層を取り込もうとしたものの、早い話がアイドル撮影会の域を出ず、ジェンダー云々の面倒な論争に発展した挙句、「ゴヒハンを重く受け止め」、スゴスゴ撤退したというアレです。

ジェンダーバランスの歪みについては、美術界どころか日本に限らない問題なので、ここで深追いはいたしません。
それよりも、芸術文化の殿堂だからと言って、美術館に対して過度に委縮したり、過剰に特別視する、一般社会のこじらせたコンプレックスをどうにかするほうが先じゃないですかと。

これまでに、美術の知識や素養を持たないことを恥じる意識が強い人に、よく出会いました。
専門家じゃないんだし詳しくなくてもノープロブレムだと、こちらは懸命になだめつつ、相手の「自分は“そういう場所”にふさわしい人間ではない」的な呪縛に、言い知れぬ闇を感じたものです。もう、どんだけ。
興味が無いのならはっきりそう言ってくれれば済む話なんだが、日本人ってそれも苦手なんだよなあ……ああ出口が見えない……。

豊穣なるアートのフトコロ深くに飛び込め

一方、博物館はだいぶハードルが下がるのか、いきなり幅広い年齢層で賑わっていたりします。コロナ禍以前は、話題性のある博物館の企画展なら長蛇の列は当たり前、入場制限も珍しくないなど大盛況だったものです。あーいかん、つい昔を懐かしんでしまった。
ちなみに絶対当たる企画展は、ミイラ展示のあるエジプト展だそう。あと、恐竜系とかも。

美術館も博物館も、どちらも英語ではmuseumですよー。博物館法では、動物園や水族館も含まれますけど。
絵や彫刻の鑑賞は、単純に好き/嫌いが基準で全く問題ありません。興味を持ったら、自分なりに調べて深めていくとさらに楽しい。
それでも退屈したら、「自分で1点、買うならどれにする?」という鑑賞方法もアリです。

要するにみんなもっと気軽に、美術館に足を運ぼうよ。勝手にハードル上げないで。歩き疲れたらソファもあるし、お茶も飲めるし。ミュージアムショップを見て回るのもおススメです(ビミョーなグッズも多いけど)。

何より、チケットさえ買えば誰でも国宝やら化石やら、世界の芸術作品をじかに見られるなんて、我々は本当に幸せな時代に生きている。だから『フランダースの犬』みたいな話は、どうしても好きになれないんですよね。

Sheila